近年、スキルや経験を活かしてフリーランスとして独立する方がとても増えてきました。
育児をしながら在宅でフリーランスとして働いているママさんライターやイラストレーターさんなども、たくさんいます。
そんな中で「フリーランス秘書」という働き方が今とても注目されています。
特別な資格やスキルがなくてもPC1台あれば今までの事務経験が活かせる、在宅で働けるなどハードルが低いことも魅力とされています。
この記事では2017年からフリーランス秘書として活動している筆者が、
フリーランス秘書を始めるための手続きや準備・お仕事の受注についてなどを詳しく解説します。
フリーランス秘書とは
一般的にフリーランスとは、特定の組織や企業に所属せず、自身の技術やスキルをプロとして提供する働き方の事を言います。
最近急増中のフリーランス秘書・オンライン秘書
フリーランス秘書は主に業務委託として主にスモールビジネス等の事務的なサポートをする仕事です。
ビジネスに事務作業は必ず必要ですが
『自分でもできなくはないけれで、時間がかかるから誰か得意な人にお願いしたい』
というニーズを受けて『在宅でできて今までの事務経験を活かせるお仕事』としてコロナ禍をきっかけに急増中のお仕事です。
オンラインのみで活動するフリーランス秘書のことを『オンライン秘書』といいます。
フリーランスにならずに副業としても『オンライン秘書』は人気です。
フリーランス秘書の受託業務の例
- 資料作成
- 手配、リサーチ
- 経理サポート
- 採用サポート
- 事務局業務
- マネジメント業務
- SNS運用代行
- Webサイトの更新
- 画像編集
- 動画編集
など、それぞれの『得意』なことをお仕事に活動されている方が多いです。
フリーランス秘書という働き方
次にフリーランス秘書という働き方のメリットとデメリットについて紹介していきます。
フリーランス秘書という働き方のメリット
- 始めるのが簡単
- 得意なことを仕事にできる
- 自由な時間に自由な場所で働ける
- 関わる人を選べる
- 憧れの人の秘書になれる
こういったメリットにより、特に子育てなどで一度現場を離れてしまったママさんなどに人気の働き方です。
フリーランス秘書という働き方のデメリット
秘書に限らずフリーランス全般に言えることですが、
- 収入が不安定になりがち
- 研修やセミナーなどで自ら知識、情報を更新する必要がある
- 社会的信用が低い場合がある(ローンなど)
- 社会保障が会社員より少ない
- 労働基準法で守られない
- 体調管理が大切
など。
フリーランスのメリット・デメリットをしっかり理解し、自分にとってメリットの方が大きいと感じられた場合に、フリーランスとしてのキャリアプランを検討するようにしましょう。
老後の備えについては【リタイア後の準備】フリーランスができる老後資金の備え4選を合わせてチェックしてみてください。
フリーランス秘書になるための手続き
年金の手続き
会社で厚生年金に加入していた方は、退職後14日以内に国民年金への切り替え手続きを行います。
市区町村の役所での手続きとなりますが、事前にホームページなどで必要書類を確認しておきましょう。
配偶者の扶養に入る場合には、扶養する方の会社での手続きが必要となりますので、早めに確認しておきましょう。
社会保険の手続き
基本的には国民健康保険に加入することになります。この手続きも退職から14日以内に市区町村の役所で行いますので、年金の手続きと一緒に済ませてしまうと効率が良いです。
また、一定の要件を満たした場合、退職した職場の健康保険を2年間まで任意継続することができます。保険料は、在職中に会社が半額出してくれていた分も合わせて被保険者(退職者)が全額自己負担することになります。
任意継続は退職の翌日から20日以内に手続きが必要ですので、国民健康保険への切り替えとどちらがメリットがあるかをよく検討して決めましょう。
年金と同じく配偶者の扶養に入る場合には、扶養する方の会社での手続きになります。
個人事業の開業届出書の提出(税務署)
開業届とは、税務署へ事業によって収入を得ていることを通知する書類だと思ってください。
主な記載内容は開業日や事業の内容などで、事業開始から1カ月以内に管轄の税務署へ提出すべきとされています。
開業freeeというサイトを利用すると、次に出てくる青色申告承認申請書と合わせて無料で作成することができるのでおすすめです。(私も開業時に利用しました!)
青色申告承認申請書の提出(税務署)
一年間の事業所得が48万円を超えるフリーランスは確定申告をする必要がありますが、白色申告と青色申告の二種類から選ぶことが出来ます。
白色申告は帳簿付けは簡単(お小遣い帳のような感じ)ですが、受けられる税額控除が少ないです。
青色申告は帳簿付けをしっかりする必要がありますが、最大65万円の特別控除を受けることができ、節税対策としてとても効果的です。(帳簿付けも今は便利で簡単な会計ソフトがたくさんあります)
青色申告をしたい場合には、対象年度の3月15日までに青色申告承認申請書を提出する必要があります。1月16日以降に開業した場合には、事業開始日から2ヶ月以内に提出します。
期間内に提出しない場合は、自動的にその年は白色申告となります。
また、一度提出すれば翌年以降も青色申告が可能です。
フリーランス秘書になるための仕事環境の整備
SNSやWebサイトを開設
まずは自分がこういう仕事をしている、ということを知ってもらう必要があります。
twitterやInstagramなどのSNSでお仕事用のアカウントを作成し、お仕事に関することを発信しましょう。
また、可能ならWebサイトを作って興味を持ってくれた人が見に来る場所を作りましょう。
noteなどのサービスを利用すれば、誰でも無料で簡単に作成することができますよ。
備品やインターネット環境の整備
仕事で使うパソコンやデスク、必要な作業環境を整えて行きましょう。
オンライン会議などが増えている昨今、クライアントに迷惑が掛からないようにネット環境も見直しておきましょう。
また、事業用のメールアドレスもぜひ作成しておいてください。
Gmailでも良いですが、独自のドメインを取得すると信頼性がグッとアップします。
仕事とプライベートをしっかり分離することで「この人は仕事をしっかりしてくれる」という信頼に繋がります。
会計ソフトの準備 ※あとからでもOK
確定申告に向けて会計ソフトの準備は必須です。
ブラウザで利用できるクラウド会計ソフトなら、備品を買った時にスマホで入力なんてこともできます。
面倒な経理作業は溜まると厄介ですので、その場で完結できるのはとても便利です。
事業用の銀行口座、クレジットカードの作成 ※なくてもOK
生活用の口座とは別に、事業用の銀行口座を作成しておくと、確定申告がとっても楽になります。
クレジットカードは審査の都合上、できれば独立前に作っておきたいところ。
オンラインセミナーなどは主にクレジット決済が主流のため、事業用の口座と紐づいたクレジットカードがあるととても便利です。
なくても確定申告はできますが、プライベートと混ざっていると経理の手間が増えます。
名刺の作成 ※なくてもOK
オンラインのみでの活動であれば名刺は必要ありませんが、オフラインでも活動したい方は名刺を作りましょう。
名刺はフリーランスのいわば看板です。名刺があると顧客や取引先からの信頼感が高まります。
友人とのちょっとの会話のタネとしてでも名刺を渡しておけば、そこから「友人がこういうことやってて」と他のコミュニティなどに話を広げてくれることもあります。
最近ではSNSやメールでのやり取りがメインという場合も多く、防犯面から住所や電話番号の載っていない名刺を作っているフリーランスの方も多いです。
何の項目を載せるかも自由ですので、素敵な名刺を作成しましょう。
ネット注文なら豊富なデザインの中から選べて100枚で千円程度~という業者もありますよ。
フリーランス秘書のお仕事受注方法
紹介でご縁をいただく
フリーランスにとって一番大事なものは信頼です。
過去の職場や友人知人などと信頼関係が築けていれば、紹介などのお仕事依頼をいただけることが良くあります。
ぜひ独立しフリーランスになったことを広くお知らせしてみてください。
また、コミュニティやサロンに所属するなどして人脈を広げていくことも効果的です。
人脈を作ることで、サロン内メンバーのサポートしてほしいという依頼だったり、紹介があったりします。
同業の仲間とチームを組んでお仕事をするという選択肢も広がります。
SNSで集客をする
SNSやブログなども顧客獲得に役立つアイテムです。
Web上で名刺の代わりになってくれるので、直接営業をかけなくても、投稿を読んでくれた方から依頼をいただけることがあります。
クラウドソーシングサービスを利用する
営業活動が苦手だったり、新規でのお客さんを増やしたい場合にはクラウドソーシングサービスを利用するのも良い方法です。
日本最大級のクラウドソーシング「クラウドワークス」 知識・スキルの販売サイト【ココナラ】などのプラットフォームを通じて、クライアント候補と直接交渉して条件などを決めます。
単価は安めのお仕事が多いです。
また、発注者も様々な方がいらっしゃるので「見極め」が大切になります。
初めのうちはクラウドソーシングサービスを利用して仕事をこなして実績を積む、という使い方も効果的です。
オンライン秘書サービスに登録する
クラウドソーシングのなかでもオンライン秘書に特化したサービスを展開している事業者もあります。
など。
派遣社員の在宅版のようなイメージで、時給制のお仕事になります。
契約時の面談ではサービス事業元も同席するため、初めてでどう話を進めて良いか分からない人には安心です。
正社員登用制度のある事業者もあります。
まとめ
今回はフリーランス秘書の始め方について解説しました。
フリーランスという働き方にはデメリットもありますが、実力やスキル・経験を発揮できる働き方であるとも言えます。
報酬という形で正当な評価が受けられるのは、年功序列の企業で働いてきた人からするとある意味新鮮かもしれません。
自分にしかできないことをどんどん磨いて、その道のプロフェッショナルとして活躍するにはとても良い環境だと思います。
多様な働き方が広がる今日、プロフェッショナルな秘書として働くご自身の姿を想像してみてはいかがでしょうか。